東京キヤビン-About Music and Something

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東京キャビン

初心者メモ:ミキシングとマスタリングの違い、それは「熱いアート」と「冷徹な数値」の違い("Happy”加筆)

   

大して分かっていない初心者が、自分なりのメモとしてまとめる「初心者メモ」シリーズです。詳しいことはもっと適切なソースを当たりましょう。

ミキシングとマスタリングの違いってなに?

3年前まではミキシングと大阪ミックスジュースの違いが判らなかったわたしです。で、現状のわたしレベルでまとめますと以下となります。

  • ミキシング:別々に録った音のパーツ(ステム)をまとめる作業(表現)
  • マスタリング:どこで聴いてもバランスがとれた音質・音量に仕上げる工程

ミキシングとマスタリングには驚くほど違いがあった!(プロがわかりやすく解説)

https://youtu.be/XkHnF-nToEU

72,233 回視聴2019/02/23

Cafe au Label
チャンネル登録者数 2.35万人

5:30 ミックスはわがままなアートでいいんです。…あとはマスタリング・エンジニアという職人さんに「すいません、なんとかしてください」っと投げると…

7:38    マスタリングってのは徹底的な客観視なので熱さとかいらないんですよ
10:46 どこで聴いてもかっこいいものにする「数値の世界」何kHz、何dBとか

とまあ、ぶっちゃけこのくらいマスタリングというのは完全な専門工程であり、都内にも数か所しかない「マスタリングスタジオ」(録音スタジオではない)を使って、1時間15,000円かかる機材を使って処理をするものなのです。

もちろん自宅DTMソフトでもできないことはない、のですが、本来マスタリングは専門機材でやるものであり、マスタリング・エンジニアはサウンド・エンジニアリングを学んだスペシャリストです。

マスタリングで仕上がりの音は全く変わる

あなたが「音圧上げる」とか「音を聴きやすくする」レベル、以上の音質を求めるのであれば”マスタリング・エンジニア”が必要です。

とりわけ、いわゆる”洋楽系”の、”ただ強いのではなく、複雑さをはらんだ豊かでリッチな音色”、”個々の音に立ち上がるようなクッキリとした個性を生かした処理”、”音楽の中に身を置いているような、音の空気(アンビエンス)を感じさせる立体感”を望むなら、いっそ海外系の優秀なマスタリング・エンジニアにお願いするのも一考でしょう。

ファレル・ウィリアムスの名曲”Happy”

https://youtu.be/ZbZSe6N_BXs

Pharrell Williams - Happy (Video)
915,015,988 回視聴2014/01/08Pharrell Williams
チャンネル登録者数 340万人
演奏前のアンビエンスからして「ただものではない」音作品。曲そのものは、名曲とはいえ、構造的に同じフレーズの繰り返しのR&Bです。しかし、それが適切な音調整(ミキシング&マスタリング)によって、実にふくらみを持ったドラマストーリーになっています。それを可能にしたエンジニアの言葉を聞いてみましょう。

"Happy"のミキサー「トップをクリアに同時にローエンドも効かせて」の意味

https://youtu.be/D4QpaiqvTYo

Leslie Brathwaite mixing "Happy" by Pharrell Williams
212,919 回視聴2019/08/28
Mix with the Masters
チャンネル登録者数 38.8万人

0:47 僕のやり方はいつも引き算だね。気に入らない部分を引くの。どんどん足してくんじゃなくて。最後にちょっと頭を足す。ディエッシング(エス除去)のバランスをとって、高くてクリアなものにしていく。
1:44 ヒップホップのアプローチだと、もっと臨場感のあるボーカルだけど、この曲ではトップをクリアに同時にローエンドも効かせて、僕のはそんな感じ。

トップだローエンドだって、言わんとしてることがよく分からないんですが、たぶん音の数値のこだと思います。とにかく、いろいろ考えて、このすごい機械を操っているんでしょう。

この部分、「Happy」を何回も聴いているうちに理解しました。たしかに一般的なヒップホップは、ミドルの高さの音が多く、それはいい意味で”俗”であり”リアル”で生々しい感じがします。

例えばこれを聴いてみてください。

Snoop Dogg, DMX, Eminem & Dr. Dre - Takin' Over ft. Ice Cube, 2Pac | FAST AND FURIOUS 9

https://youtu.be/0BrcdIzMzUQ

9,914,933 回視聴2021/05/30 Long Beach Finest
チャンネル登録者数 96.4万人
Fast & Furious 9 Remix 2021 | DMX, Eminem, Snoop Dogg - "Takin' Over" ft. Dr. Dre, Ice Cube, 2Pac (HD)

いい意味で、俗だわ~! まさに、ミドルな高さの音が濃いめで、目の前に展開されるヒップホップの世界を表現しています。非常にパワフルな訴求力にあふれています。

それに対して"Happy”は、「ハイ」なキー、それは教会音楽に通じる”天上”の音であり”天使的”な音、が強調されています。その一方で、「ロー」なR&Bのビートもしっかり入れる。これにより、清らかな「ハイ」の響きと生命の鼓動を感じさえる「ロー」のビートが相まって、"Happy”な世界が生まれる。これがミキサーの狙っている「トップをクリアに同時にローエンドも効かせて」なのでしょう。真ん中がぽっかり抜けているんです。そういう意味で、ちょっと特殊な曲ですね!

このミキシングの特徴は、下記のリミックスではさらに分かりやすくなっているので、ぜひ聴いてみてください。

思わず(小さくだが)叫んでしまった大好きな"Happy"ミックス

https://youtu.be/9VORG6wsMOE

Pharrell Williams - Happy (MattLok's Extended Mix - Do the Carlton Dance)
223,308 回視聴2014/01/27Mattlok : DJ | Producer | Remixer for WeLuvHouse Record Label
チャンネル登録者数 467人

カナダの本職DJなだけあって、音の扱いが、立体感がすごい。他にも”Happy”はいろんなバージョンを作っている人たちがいて、どれも面白いです。

”Happy”のマスタリング前と後を聴き比べ

https://youtu.be/9w6sdNs58tc
606,590 回視聴2021/02/12
Mix with the Masters
チャンネル登録者数 38.8万人

5:00で、ミキシングのみとマスタリング後を比べています。
ミキシングも言ってること、さっぱりわかんなかったけど…マスタリングになってくると、もう”神の領域”というか”職人なんで”へい! おまかしゃす~!

上記二つの動画は両方とも、”Mix with the Masters”というチャンネルです。まさに”マスター”級の音楽エンジニアの方々が専門について語っておられる、その筋の方には非常に勉強になるであろうチャンネルです。繰り返しますが、わたしは彼らの言ってことがまったく分からないです。ただ、出来上がったものがすっげえ!というのはわかります。寿司は握れんが食べるのは好きなんです。

大御所デヴィッド・ゲッタの"Happy"ミックス

https://youtu.be/cbsCprtqNAw

Pharrell Williams - Happy (David Guetta Remix) 2014 HG
811,159 回視聴2014/04/26

Hernan Ganz
チャンネル登録者数 433人

これも楽しいです~。敢えて「はぴ~」を入れないDGお得意(?)の意地悪バージョン。そう「はぴ~」はあなたの心の中で鳴らしてください(最高音圧推奨)。

海外のマスタリング・エンジニアなんて予算的が厳しい?

それがFiverrだと…驚くべきことに、バークレー音大でエンジニアリングを学んだトップセラー(インド)とか、グラミー賞何個も取りました(アルゼンチン)とか、メジャーどころのプロデュース多数(ドイツ)とか、とにかく驚くべき方が、たくさんいらっしゃいます。高いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、じつはそうでもありません。もちろん、最初っから、「最低10万円ね」という方もいらっしゃいます。しかし、一般に「マスタリングだけ」のベーシックコースなら、なんと数十ドル(数千円)で依頼が可能です。それはかれらにとってはいわば”お試し”サービスであり、それ以上はしっかり数百ドル(数万円)単位の契約に持っていく、という戦略の方が多いです。音を聞いて納得すれば、これは安い!と思われるかもしれませんからね。

わたしもまだリサーチ中ですが、ざっくり以下のような傾向を感じています

海外マスタリング・エンジニアの傾向

  • インド系=テクニカル的に超ハイレベルなのに激安(NASAの職員の半数はインド系ということにもなっとく)。
  • 中南米系=音楽が盛んなだけあって全体にレベルが高い。とりわけアコースティック系に強い。アメリカからの受注豊富。(個人的に狙い目☆)
  • 米国系=エンタメ大国なだけあって人材が厚い印象。とにかく任せて安心。
  • 欧州系=ばらつきがあるがいい人すごくいい感じ。ドイツは技術が高い。イタリアは音楽が盛んなのだろう、人材豊富で気さく。
  • 海外在住日本人や日系=細かいニュアンスが日本語で伝えられる安心感。細やかさ+海外の需要を意識した音作りという方向性は便利かも。
  • アフリカ系=インドと並び激安。リズム・レベルはさすが。ただ、私がやり取りした中ではコミュニケーション速度が遅い気がする点が不安。

感想

マスタリング=音響学で工学系です。以前、そういうことに詳しい方にインタビューしたとき…正直、おっしゃっていることがまるで分かりませんでした。彼らは、音を数値化して観れるんですね。音楽を”商品”として多くの視聴者にお届けするには、そのような側面が必要だということ。このあたり、わたしは昔、オーディオ会社にいたため、ちょっと懐かしく思い出しました。実はこの”数値”の部門の収益は実に安定していました…。

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