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【完成版】米津玄師 MV「Flamingo」(はいー、はい)/Kenshi Yonezu-Flamingo MV, with the essense of old Japanes melodies

銀座の女がいた。母子家庭だったから手っ取り早く金稼いで孝行したかった。派手な目鼻立ちと飲みっぷり男たちに好かれ、法曹・政治系パトロンがつき、自分の名前を冠したクラブ・小料理屋・美容院まで構えた。仕送りで弟を国立大に入れた。しかし気の弱いくせにプライドは高い弟は苦学の屈辱(実験中に自分だけ新聞配達バイトで抜けることとか)に耐えきれず、先輩に誘われたベンチャーで一発当てようとした。ところが契約先の火事など不運により逆に大きな借金をこさえ、ヤクザに追われる身に。当時付き合ってたしっかり者の看護婦と一緒に、彼女の故郷、高松に潜伏。そこで生まれたのがわたしである。

言いたいことは、飲み屋や風俗で働いてる人にもいろいろな理由があるってことです。成り行きでわたしがやってたかも知れないし。(今後やるかもしれないし?いくらなんでも無理か? マニア筋?)そんでもっと言いたいこと。仮に不本意ながらそういう境遇になった時に、自分を本気で愛してくれる男(マブ・間夫)に巡り合ったらどんな気持ちだろうか? この人は、ここでこうしてる売り物のわたしではなく「ほんとうのわたし」をわかってくれる、という期待をもてた時に?

そんなことを米津玄師 MV「Flamingo」を聴いて思うんですよ。

米津玄師 MV「Flamingo」 - YouTube

出だしの「黒田節」みたいなマイナー・メロディーが、非常に印象的です。これは手拍子を打つなら、絶対日本古来の表拍(おもてはく)ですよね。「ちゃん…、ちゃん…」であって西洋式の裏拍「ちゃっ、ちゃっ」ではない。(表拍・裏拍についてはこちら。)茶碗の縁、箸でチャンチキ叩いてみたりね。ただ、それが後半の「ふらー、ふらー、ふらー、フラーミンゴー」から鮮やかに現代曲に転調してゆくところが、米津マジックです。鮮やかすぎ。やられた…ごめんね逝く…。

あなたは(ふらふらふら)
Flamingo
鮮やかな(ふらふらふら)
Flamingo
踊るまま ファファ
笑ってもう帰らない
寂しさと嫉妬ばっか残して
毎度あり 次はもっと大事にして

ここの、半音ずつふらふら下がってゆく音が、開放的で安らげるとともに、堕ちていってしまう感があります。もう、完全にあなたにロックオンされてしまっているメクルメク感が。(やべ)

あと間奏のかなり和風な語り。以下の部分。

氷雨に打たれて鼻垂らし

(はいー、はい)
私は右手に猫じゃらし

(はいー、はい)
きょうびこの程度じゃ
騙せない
狭間で彷徨うとこしえに

(はいー、はい)

*(はいー、はい)は筆者

この間奏部分の、(はいー、はい)も実に実にいい。今日一日脳内で(はいー、はい)って言ってたもんね。やっぱり、わたしは日本人なんだ、それ以外無理、と思い知らされました。

なにが無理って、例えばわたしが、アメリカ人と結婚してたとする。わかんないけど、ミネソタ州でジョンの妻だったとするわな。で、暇だから日本人向けにミネソタの素敵なライフスタイルをお届けするminnesota cabinというブログを書いている。そんなある日、YouTubeで米津玄師 「Flamingo」を聴いてしまう。(はいー、はい)が脳内に入る。もうこの瞬間に、(シン・ゴジラの石原さとみ風に)「ジョン、わたしやっぱりジャパンに戻ろうと思うの。」と宣言。「バット、ハニー、ホワーイ?」「ソーリー、ジョン。説明責任を果たすべきね。この曲を聴いて」ジョンはにはこれを100回聴いてもその理由は分からないのであった。 

もうね、こういうの、デフォルトで入っちゃってるから。いくらいろいろドゥーワップだなんだって、聴いてもね。この(はいー、はい)にはかなわないんだよ。

 

フラミンゴの歌詞についてはこちらを参照しました。

 

節回しが似てる歌謡曲ないかと昔の曲を探しました。今のところ、これが近いと思いました。大正末期の色歌ですね。

添田さつき・月は無情/ 土取利行 Tsuki wa mujo/Toshi Tsuchitori - YouTube

月は無情/作曲:添田知道(さつき)作詞:松崎ただし
土取利行(唄・三味線・エスラジ・太鼓)
大正15年の作で明治大正演歌の終焉を飾る唄であるが、これは昭和になっても流行した。本来ウェットな曲で女性の恨みを訴えた唄だったが、演歌はかならず滑稽な笑わせる文句を混ぜているので、そのウェットのウェイトが移動し、酒の座でうたわれるようになると、「コリャ」とか「ソラ」とかはやしたてはじめ、この「コリャ」挿入されると詩性が二の次になってしまうという座興性をおびていってしまった。ここでの唄は座興性のない元歌。(参考文献:添田知道/大正の流行歌) 

 

大正・昭和の情歌のメタ化には大先輩がいます。いまも一部の若者の人気をちゃっかり保っているあがた森魚先生です。

あがた森魚「赤色エレジー」:おんがく白書【HD】 - YouTube

 この線、かなりに「Flamingo」に近い! あがた自身結構アグレッシブなアレンジする人です。

 

つまり戦前演歌+エレクトロ・ラップ

という解がでました。

演歌の分だけ、バランス取るためか、しっかりエレクトロ・ラップ風味でクールに仕上げてます。その結果、飛び切りかっこいいオリジナル曲になっています。(はいー、はい)

 

英語でflamingo=売春婦とはちょっとヒットしなかったんですが、このデュア・リパのMV観た時にそういう意味なのかなーと思った記憶があります。(最後のオチを参照してください)

Dua Lipa - New Rules (Official Music Video) - YouTube

 

以上、米津玄師 「Flamingo」と(はいー、はい)にやられた…というご報告でした。

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