似非ミニマリストのキャビン

ドニー・イェンをベースに世相を斬る!ことは可能なのでしょうか?

中国では劉暁波「リュウシャオボ」は検索できない◇『「私には敵はいない」の思想』と詩集『牢屋の鼠』

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劉暁波さんは日本語では「りゅうぎょうは」と読み、

中国語の発音では「リュウシャオボ」と読みます。
劉暁波」という検索しても中国国内では
ヒットできません。
彼の国ではヒットできない人ほどいろいろな意味で
重要度が高いということになっているのです。
くまのプーさん」や「ジャイアン」と同様に。

 

 2 劉暁波って誰?

2008年、民主主義を求める生命(08憲章)でネット署名を
集めようとした前夜に「国家政権転覆扇動罪容疑」で逮捕。
今年肝臓がんにより獄中死。
政治犯には薬を強制投与されるようなので、
それにより肝臓を害したものとおもわれます)


3 何が書いてあるの?

劉さんの「私には敵はいない」とは、
敵視することによる恨みの連鎖から自由になる考え方。

中国は逆に民主運動を「敵」として
弾圧を強めることにより、
民主主義化へのチャンスを
逃してしまったと言われます。

この本の出版は2011年。
現在は習「主席」の権限強化により
民主化への風当たりはさらに厳しいものに。

 

4 一押しする理由!


2010年にノーベル平和賞を受賞した中国の運動家が、
実際どんなことを言っていたのかが分かります。
こんなまっとうな意見で投獄なんて狂ってる!

 

5 心に残った言葉

p.22


だが私はこの私の自由を剥奪した政権に対して変わりなく言おう
――二〇年前、私が「六二絶食宣言」

(1989年天安門事件時)
において表明した信念、すなわち私には敵はいない、
私には憎しみはないというこの信念を私は固く守っている
ということを。私を監視し、制約し、逮捕し、尋問した全ての警官、私に判決を下した裁判官、

彼らはみな私の敵ではない。
私は不法にも君らの監視、制約、逮捕、基礎、それに
判決を受けたが、私は君らの職業と人格を尊重する。

まさにこのような信念と体験に基づいて、
私は中国の政治的進歩は停止することはあり得ないと
固く信じており、未来の自由中国の到来について
極めて楽観的である。なぜなら、

いかなる力も自由を志向する

人間的欲求を阻止することはできず、

中国は最後には人権を至上とする
法治国家に変わるだろうからである。

愛する妻よ、君の愛があれば、

私は間もなく下される判決に
平然と向き合える。わたしは自分の選択に悔いはなく、
楽観的に明日を待っている。
私は期待する、この国では、異なる価値、思想、信仰、

政治的主張が
相互に競争し、また平和裡に共存することを。

私は期待する、私が中国で綿々として絶えることなく

続いてきた
文字の獄の最後の被害者であり、これ以後、
言論のために罪を得る人が再び出ないことを。

2009年12月23日/於・北京第一中級人民法院

(カッコ内おれみ)

 

劉氏は89年の天安門事件の際に、

非暴力戦術(ハンガーストライキ)に
よって流血の惨事を阻止したことにより有名になったそうです。
天安門事件は死者4,000人という説もありますが、

真相は藪の中です)

香港における天安門28周年記念イベントのレポート 

 

中国はこのような優れた理性と知性を自らの手で

圧殺したことにより、

自身をますます窮地に追いやってしまったのではないでしょうか。

グローバル化が進む中で、AIを使ってさらなる言論統制強化
に乗り出す中国。
劉氏が「楽天的」に描いた自由中国が来るのはいつなのでしょうか?

 

www.sankei.com

 


詩人としての劉氏も合わせてご紹介します。
日本語訳されている唯一の詩集『牢屋の鼠』から。

 

p.49

陽光の下のカップ――毎日お茶を飲む小さな指へ  
               1996年12月24日

毎日
君は灰皿とティーテーブルをキレイにする
そしてガラスのカップを並べ
龍井茶かウーロン茶を淹れる
君はティーテーブルの片側に座って
開いている席に置かれたティーカップをじっと見つめる

徐々に茶葉が開いて
ガラスのカップが透明な緑色にそまっていく
茶葉がゆっくりと開く

君はカップを手にとり陽光の下に移す
カップの緑が一瞬きらめく
金色が緑の茶葉に浸透する
まるで一切れのレモンがカップの中に飛び込んだようだ

ときどき
君はカップを見つめながら耳を傾ける
鍵を鍵穴に差し込む音がしないかと
あの聞きなれた声が
真夜中や夜明けを問わず
ドアを開き君をわっとよろこばせるあの
君はお茶を一口飲んで
太陽に向けてカップを持ち上げる
カップに触れる君の指が
太陽の光に刺し貫かれる

君のてのひらを透明な茶葉が緑に染める
浅い緑に
かすかな驚きが伝わってくる

君が知っているもう一つのカップは
長い間開けて置かなければならない
あの晋也に君のドアを開ける人は
長い時間君をまたせたままだから

 

最愛の妻から引き離された生活の中で生まれた詩です。

太陽のものとで輝く茶葉やカップの日常的な美しさが

痛ましい。

 

 

 

龍井茶(ろんじんちゃ)って、杭州の特産です。

お湯の中を漂う細長いカタチお茶がキレイ。

いつか買ってみたいなあ。

 

お茶つながりということで、

 ファン・ビンビンサントリー・ウーロン茶のCM。

ビンビンもキレイだなあ。

 

6 関連書など

なし


7 最後に


自由中国、なんていい言葉でしょう!
「自由」って字はまだ検索できるんだよね?